190年3月 悠真のターン
悠真「ふふっ・・・ははは!!この計略というコマンドを全配下に割り当てることで俺の反撃が始まるんだ。まあ見てろよ!?」
陽介「・・・・」
悠真は配下の担当を計略から変え忘れていたようだ。たしか、程普に流言が効くか確かめようとしていた時に武将に計略を試させていたみたいだけど、その時からそのままなんじゃないの!?
陽介「悠真。言霊も0だし3月のターンは内政も軍備もできなさそうだね。巡察とか褒美で忠誠度を上げたりしたら?」
僕が忠告をすると悠真は『待てよ。何を言っているんだ。俺はコマンド3回でベストの行動をするのだ。お前が投了するくらいの事が起きるから見ていやがれよ!?』などとほざいた。
悠真「例え配下の担当が1つに固定されていたとしても最大3回しかコマンドなんて案外すぐに使い切ってしまうものだ」
悠真のいうとおりだ。あの行動をすればコマンドを2回も消費してしまう。あとの1回は褒美や巡察を行えば良いので3月の行動が無駄になることはないだろう。つまり悠真がしようとしていることは。
悠真「引き抜きをするぞ」
悠真は武将を忠誠度順にソートし始めた。そして君主に不満を持っており能力に優れた武将を登用しようというのだ。時間をかけて武将を吟味しているようなので、僕は今後の合戦について考えよう。僕達が決戦をするのなら武陵になるのかな?
現在の武陵は孫堅領なので決戦が行われるとすれば『悠真が武陵へ進攻→僕が武陵へ進攻』または『僕が武陵へ進攻→悠真が武陵へ進攻』という攻防が行われることになるわけだ。孫堅が武陵を占領しているから僕は悠真に攻勢を仕掛けることができないので、わざわざ悠真から武陵へ進攻することはないだろう。武陵戦をするとなれば後者である僕が守戦側の合戦になるわけだけど・・・武陵戦で活躍するのは水戦の得意とする武将、次点で平地戦に選れた武将かな。山地向きの陣形しか持っていない武将は残念ながら待機となってしまうかもしれない。
悠真「うーん。朱儁はかなり良いぞ。董卓は優秀な部下を抱えているなあ」
僕が武陵へ進攻する時は悠真が零陵から飛び出し孫堅領へ進攻した後だ。悠真も孫堅も本気でぶつかり合い合戦を続ける余力など残っていないだろう。そこへ僕は武陵へと攻め込み、悠真の本拠地の零陵へと攻め込む。となれば決戦は零陵となるのか?
零陵のマップの主戦場は上図にみられるように3つの城の周囲になるだろう。一番左の城は包囲されやすく水地を利用できないので相手の動きを留める遮蔽物がない。大河を挟んで遅々として進軍が進まない敵軍を各個撃破するとなれば右の城で待ち構えたいところであろう。中央の城は沼地と山地と平地に囲まれており神がかった采配をこなせば敵に一切手出しをさせずに撃破することも不可能ではない。
陽介「うーん。零陵で決戦を行うのは楽しそうだな。そして武陵にしろ零陵にしろ水軍を編成できなければ打つ手はないと」
悠真「徐晃(ジョコウ)が何も特殊能力を覚えていない!くっそー!有名武将ほど育っていないのが189年開始の仮想モードなのだ!わかってはいた・・・わかってはいたんだ・・・」
零陵は攻め手が得意とする陣形に合わせて主戦場を変えられる都市であることが分かった。これからお互いが集める武将によっては零陵戦で決戦を行うのは僕にとって不利になる可能性はある。では、長沙で決戦が行われる可能性も考慮しておくか?
長沙の戦場マップは上図のようになる。僕が攻め込む経路は武陵からになるので画面左から出陣するわけだ。マップを見る限り、やはり長沙でも大河を挟んだ攻防になりそうな予感はする。一番上にある城では守戦側が武将を沼地(兵が沼に捕らわれて無抵抗の状態になることがある)に配置することになりそうなので悠真は大軍を駐屯させることはないだろう。マップの下部にある城では陸地からの進軍で守城が包囲されてしまうので決戦は中央の城になるような気はする。でも中央の城の周囲は陸地が多く、思ったよりも守戦には向いていないかもしれない。シンプルに水軍が決め手となる武陵か相手の陣形に合わせて2つの守城を選べる零陵の方が守るに固いだろう。ちなみに零陵から攻め込んだ場合はマップ右下からの出撃となるので水戦を利用したい場合は画面上部の守城を選ぶしかないな。
陽介「困ったことになったな。AIの隙をついて各個撃破すれば零陵から出撃して長沙を奪取するのは案外簡単かもしれないぞ。つまり悠真と孫堅の消耗戦は期待できないということだ。孫堅配下の程普が言霊を使われても引き抜かれないことを願うしかないね」
程普がいたら僕の武陵進攻も危うくなる。しかし悠真がほぼほぼ無傷で長沙を手に入れたとすれば、なんなく揚州を平定されてしまうだろう。長沙を簡単に落とされない方法・・・そんなものがみつかるのならば・・・ああ!みつけた!!
悠真「見つけた!ついに引き抜くにふさわしい武将を発見したぞ!見てろよ見てろよ~」
僕が妄想をしているうちに悠真は引き抜く武将を選び抜いたらしい。だ、誰になるの?水陣を持っている武将には違いないのだけれど。
陽介「しまった!皇甫嵩か!僕が狙っていたのに悠真に取られてしまった!」
皇甫嵩は方円の陣(平地向け)と魚鱗の陣(平地向け、突撃可能)の陣形を有しており沈着(混乱などの計略を受けぬくくなる)を備えている守戦のエキスパートだ。水陣は持っていないけど荊州での戦いは水戦一辺倒になるわけではあるまい。こいつを守城に置かれたらやっかいだぞ。水陣で上陸した武将の側面を魚鱗の陣で突かれることになってしまう。僕が兵糧庫を守る将として確保したかったのに悠真軍へ編入されてしまうとは。土砂という技能は山岳地形向きの能力だったはずなので永安の守備にも向いていたはずだ。『賈詡のが良かったんじゃない?』と思われた方もいるかもしれない。だが無理なものは無理だったらしいので(笑)、これが最良の決断だったと思われる。
悠真「そして俺が水計(禁止能力)を修得したようだな。さて、ルールにより俺も水陣と任意の技能を習得できることになるわけだが・・・」
君主らしく収拾(隣接する味方部隊の混乱を静める)を覚えれば良かったのに。水陣を身につけられる水計とは運が良いやつだな。
悠真「陽介は『治療』と『無双』を備えている。がっちがちに守りを固めやがって、やっかいな野郎だ。それならば、俺はこの技能を習得するしかあるまい」
悠真は二国志のルール「新規武将が禁止技能を1つ覚えた場合は水陣+任意の能力とする」により『水陣』と『水神』を修得した。
陽介「『水神』?てっきり僕は『無双』を覚えるのかと思ったよ。どんなに優勢でも君主が包囲されてしまったら終わりだからね。何で『水神』を選んだの?」
僕が質問すると『お前にはわからないだろうよ。男は守ってばかりいられないんだ。例えるなら空をかける・・・』などとしゃべり出したので僕は慌てて悠真の口を塞いだ。
陽介「悠真のコマンドは2回残っているけど、1回は登用を済ました皇甫嵩の忠誠度を100にするために褒美を下賜するんだよね。最後に残った1回は何をするの?」
悠真「さてね。本当は計略の流言(民や武将の忠誠度を下げる)をした後に賈詡などの武将を引き抜こうと考えていたんだ。しかしどうやっても無理だったので、戦力にもなり陽介の陣容にはまりそうだった皇甫嵩を引き抜いのだ。コマンドが1回あまる形になってしまったが良いのさ。賈詡などを引き抜くよりも最善手を打つことが可能になったからな」
な、なんだと?賈詡を味方につけるよりも良い一手がある!?ちょっと!心配になるようなことを言わないでくれよ!
悠真「まずは何はともあれ皇甫嵩の忠誠度を上げるぞ」
悠真「皇甫嵩はよほど俺と相性が悪かったらしい!忠誠度を100にするだけで750もの金がかかってしまっぞ!」
それはそうだ。皇甫嵩は僕が相性の良く強い武将として目をつけていたんだから。僕と相性値が悪い悠真が登用するのは無茶と言えるだろう。
悠真「金など翌月の天命に恵まれればいくらでも取り戻してみせるさ。そして最後のコマンドを何に使うかだが・・・」
悠真は賈詡を登用するよりも最善の一手があると言っていたな。一体何をするつもりなんだろう。もしかしたら、このターンに2人の武将を登用してしまうとか?いや違うな、それでは賈詡を登用した方が良いもんね(笑)。
悠真「俺の最後の一手はこれだ」
陽介「しかし1ターンに守戦向きの武将を登用できれば賈詡1人に匹敵することに・・・え!?褒美?何の特殊能力も覚えていない配下の忠誠度を100にしたの!?」
悠真「見ての通りだ。この一手でお前がどれだけ不利になったのか理解できないようだな。未プレイならば致し方ない。それでは俺は言霊もコマンドも無いのでターンを終了させるぞ」
悠真が天下三分の計などを成したせいで僕たちは領土を隣接することは無くなり、静かに陣容を整えていくことになった。もう189年12月のように1ターンに2回も合戦が行われることなど無いであろう。いや、それは楽観的過ぎるかもしれない。お互いの国力が増せば過去に行った合戦とは比較にならない攻防が行われるに違いない。そして190年3月が終わった。
190年4月
陽介「特になにも起こらずにターンが回ってきそうだな・・・おや?」
陽介「なんだこれ?献帝が武術大会?えっとどういうこと?」
悠真「!?」
陽介「あれ?僕の国から武将を出場させろと選択肢が出てきたけど・・・じゃあ一番強い曹節を出場させて・・・ん?2人出さなきゃだめなの?じゃあ曹節と張遼を出場させよう」
悠真「!!??」
陽介「曹節の1回戦目の相手は周秦(シュウタイ)か。強そうだけど・・・あれ?勝っちゃったよ?」
悠真「ぶっ!」
陽介「張遼は負けてしまったか・・・(キャプチャが追いつかない!)。それで曹節の2回戦目の対戦相手は顔良になったみたい。あれ?勝ったよ」
悠真「・・・」
陽介「なんだよ。大陸最強の武力を持つ文醜がいるじゃないか。これでは良くて準優勝だよね・・・孫堅が頑張って勝っちゃった」
悠真「まずい!これはまずい!!」
陽介「これで武術大会は曹節と孫堅の決勝になったね。勝つと何か良いことあるのかな」
悠真「ぬおおおおおぉ。ぐぬううううぅ」
陽介「ま、まあ孫堅ならば武力も近いし勝てることもあるよね。優勝してしまったけど何が起こるの!?」
悠真「う・・・うう・・・」
陽介「優勝賞金10000?まさかそんな。金10000ってわけじゃあないよね?」
悠真「俺の天命!4月の天命はいくつだ!早くサイコロを振らせろ!早く!!」
190年4月 陽介のターン