アンドロイドは人狼の夢を見るか?プレイ日記201プレイヤーを作ろう5

(この投稿はToshiki Mizukoshi様が制作されたスマートフォンアプリ「アンドロイドは人狼の夢を見るか?」のプレイ日記です。毎日更新をします)

18人村をプレイするために3人のプレイヤーを作成します。便宜上、「最大値1を100」、「最小値0.01を1」と表記。「好奇心」は質問回数値、「勤勉性」は役職情報重視値、「外向性」は発言回数値、「協調性」は周りと行動を合わせる値、「情緒不安定性」は発言内容変化値とします。

まずは1人目。「あのさぁ、こんなプレイヤーの○○○○、僕舐めないよ!やり直し!」

初日犠牲者


ピンポーンパンポーン。

次はお悩み相談コーナーになります。望方謙一『試みの蜃気楼』。以下は望方さんによる近況報告です。

望方謙一「小僧ども。俺は読者からの相談メールを読んでいる。若い頃の自分と語り合っているような不思議な感覚に陥ってしまうよ。『金、恋人、友情』。世代は変われど若者達は同じ悩みを抱えているに違いない。『恋人』と『友情』についてはデリケートな相談なので個別に返信をしている。だが若い身空で『金』の悩みをわずらうのは問題があるからザックリと答えてしまおう。『世の中は金がすべてなのか?』という問いがある。相談コーナーではよく見かけるお悩みだな。結論を述べると若者は金のことで思い悩む必要はない。今日の食い物に難儀しているのならともかく、まだ見ぬ未来の財布の中身を心配しても無意味なのだよ。そんな事に時間を浪費するのならナンパをしたり勉強をしたりインスタ映えする写真を撮っていた方がマシだ。ただし金銭哲学を知れば若者を狙う下衆どもから身を守るすべとなるので軽く助言をしておこう。世の中には大きく分けて3種類の人間がいる。『金がすべてであると主張する者』、『金がすべてではないと主張する者』、『若者は金に関心がない、若者は金にだらしない、若者に金は必要ないとほざく老人』だ。このデフレ不況下で『金がすべてである』と主張する者はまっとうな感覚の持ち主だな。有言実行とばかりに金を奪おうと計画する馬鹿もいるけど、普通の人間だから仲良くしておくとよい。『金がすべてではない』と主張する者には警戒をするべきだ。たんに金に困っていない金持ちならば害は無い。もしかすると過去に金では取り戻せない大切なモノを喪失した人間の可能性がある。可哀想だけど人として欠けたところがあるので彼・彼女が心の隙間を自身の力で埋めるまでは距離を置いて見守ってあげるとよい。最後に『若者は金に関心がない、若者は金にだらしない、若者に金は必要ないとほざく老人』。こちらは相手にするだけ時間の無駄だから無視してよろしい」

俺は人狼ゲームが嫌いだ!
望方さん!あんたに言いたいことがある!俺は人狼ゲームが嫌いだ!嘘つきが愉悦にひたるルール。人を騙そうとしている友人を目の当たりにする苦痛。何もかも最低だ!俺の大切な人は理路整然と自分の正しさを主張していた。信じてくれないのならば処刑もいとわないと訴えた。だがいくら自分の意見を主張してもソフィスト達はあざ笑うばかり。参加していたメンバーの多くは推理を披露する嘘つき達に呆れていたよ。しぶしぶ同意をしたり、あるいはシラケた目で苦笑いをしたりで結束はバラバラ。声の大きな嘘つきに流されるままゲームは終了。結果は嘘つき達の勝利として終わったんだ。楽しんだのは勝利した卑怯者だけ。俺は何人かの友達と絶交をして大切な人も失うことになった。みんな友達だと信じていたのに、真の友情は絶対なはずなのに、何もかも台無しだ!こんなゲームのプレイ日記を書くんじゃねえ!文章も下手くそだ!俺は今、真実を悟ったタモツ。

(ハンドルネーム:プラトニック少年愛さん。海外在住)

望方謙一「人狼ゲームを嫌う君の気持ちはよく分かる。俺はオンライン人狼でクズ扱いをされた経験があるからね。まして君は友人と直に対面をしながらプレイをしたのでショックの大きさは俺の比ではないだろう。賢明な君へ『好きも嫌いも人それぞれ』と相対主義者の言葉を送るのは傷口に塩を塗るような行為だな。ここで同情の言葉を書いて相談を終わらせれば君の溜飲は下がるかもしれない。本音を書けば『君は正しい』と安易な解答をして逃げたいところだ。相談コーナーは平和に終わり、俺は苦情を持ち込まれることもないし恥をかかずにすむのである。しかし、それでは何も解決しない。叱られるのを承知で厳しい言葉を書かせてもらうよ。君は人狼ゲームのルールと友達を騙そうとした嘘つきの卑怯者(あくまで君の見解だが)に怒りを向けているようだね。俺から言わせてもらえば責める対象を間違えているのだよ。君はルールに従い騙そうとしたプレイヤーではなく、その場で何が起きているのか気づけなかった己に怒りをぶつけるべきだった。そしてシラケてゲームを放棄した者や流されるままゲームを進行させた者を懐疑的に考えるべきだったのだ。人狼ゲームが開始して参加者を騙そうと友人達は豹変した。急激に価値観の変化が起きて君達は虚無的な気分に陥ってしまったに違いない。そこで君が真面目にゲームをするよう皆に呼びかけていれば嘘つき役のプレイヤーはルール通り敗北をしてひとまずは友情を失うことは無かっただろう(君が負けても結束から友情は崩壊しなかったと信じている)。もしくは、虚無感を徹底させる言葉を投げかけてゲームを中止、別のゲームや時間潰しを提案すれば交友関係の崩壊は防げたのだ。君が誤ったのは友情に普遍的で絶対的な価値を見いだし数分後の悲劇を予測できなかったことだ」

●友として君に贈る言葉──
友情は壊れやすい。絶対的なものではないのだよ。その現実を受け入れて克服することを切に願っている。君の成長する道程に人狼ゲームは必要ない。もうやらなくてよろしい。

まだまだ物足りないぜ!
望方謙一さんによるお悩み相談コーナー『試みの蜃気楼』では相談のメールを募集しています。宛先はXXXXX@waichin.jp(Xの場所に正しいアルファベットと数字を当てはめて下さい)。

人狼プレイヤー『初日犠牲者』はモデルの人物を参考にして質問回数値が最大となっている。再現できている自信はないので見逃してください。

2人目のプレイヤー。「あのさぁ、こんなプレイヤーの○○○○、僕舐めないよ!やり直し!」

リヴァイアサン


僕の父親は政治活動家だ。父の派閥はあわや失脚の危機に陥るも旧態依然の保守派に勝利。国内での権威は盤石になるかと思われた矢先、積極改革派がにわかに勢力を拡大し始めた。政策の実行に躓いた父の派閥は実権を逃して終わりの見えない権力闘争が繰り返されることになったのだ。僕は幼少の頃より父親から政治理念を聞かされて育ったが父の主義主張は複雑怪奇であり共感を覚えることはなかった。迷いなく弁舌を振るう父の姿は輝いて見えたと記憶をしている。だが、その勇姿とは裏腹に政策は矛盾をしているとさえ思っていた。若い僕は父の派閥よりも積極改革派の指導者に魅力を感じていたし、父には黙っていたけど頑固な保守派(いわゆる長老達)の方が理路整然とした信念があり好感を持てたのである。しかし、いくら共感できなくても僕は政敵を殺し続けてきた父の息子だ。権力闘争はいよいよ内戦にまで発展して命の危険を感じた僕は身分を偽り母と一緒に都市郊外で水牛の飼育をしながら生計を立てることにしたんだ。父は自分の理念に興味を示さない僕を同志として見限ったが構うことはない。いずれ父は己がそうしてきたように敵対派閥に殺されるだろう。僕は母と畜産農家をして一生を終えたいと願っていた。血なまぐさいニュースが国中を飛び交うなか、僕はのどかに母と水牛を育て続ける。水牛は食用の肉として国内へ出荷されていたが汗水垂らして働いた努力が実ったのだろう、なんと僕の育てた水牛が隣国の企業から評価をされて買い付けの注文が殺到したのだ。屠殺業者の元へ運ばれる水牛を眺めるのは一抹の悲しさを感じたけど、僕は自分の仕事に誇りを持っていた。瞳に狂気を宿して闘争と称し人民を殺し続ける父と、人を生かすために食用の水牛を育てる僕。どちらが高貴な人間なのかは考えるまでもない。向上心が結果として反映される日々。しかし、そんな充実した生活も長くは続かなかった。とある出来事が切っ掛けで積極改革派が一斉に蜂起をしたのである。郊外に逃げ隠れていた僕にも危機が迫ってきのだ。国内の知識人も蜂起を支持したとのニュースが連日報道をされた。もう父も僕たちも終わりだ。母と僕を危険にさらしてまで政治信条に生きる男が殺されようと終身刑になろうと知ったことではない。だが僕の高貴な生活を壊す遠因となった事実を許すつもりはなかった。ある日、父の使いを名乗る男が家を訪問した。どうやら父は派閥幹部にまで出世をしたらしく、一人息子の僕を留学生として隣国へ逃がす手はずを整えていたそうだ。父が死んだ暁には僕を同志として迎える約束をしているのだと男は声を荒げて説明をした。政治家になどなるものか。内乱が収まるまで隣国に身を隠して、また水牛を育てるぞと考えた僕は母に別れをつげて隣国へ出航する船が待つ港に向かうことにしたんだ。母は『お前が向かう隣国には私たちの育てた水牛が出荷をされているね。みなさんが食べている水牛は私たちが育てたと言えばきっと温かく迎えてくれるに違いないよ』と僕を見送ってくれた。僕の国は内戦中だ。もう母とは再会できないかもしれない。僕は隣国の人間に母と僕が育てた水牛だと自慢をしてみせるからと約束をして男と共に船に向かった。母との別れは辛かったが、国のため、国家のためだと血を流しつづけている父から解放されたのは嬉しかった。まだ見ぬ隣国に胸をはせ、僕は航海の日々を過ごす。数日間の船旅を終えて隣国の港についた僕を待っていたのは驚愕の光景であった。豊かな国だとは聞いていたが僕の国とは何から何まで比べものにならないくらい技術が進歩をしている!暗い表情をしている僕の国の人民とは異なり人々の顔は希望に満ちあふれていた。これが世界一の大都市というものなのだ。うらやましくもあり悔しくもあったが、この国で生活をすることができたらどんなに幸せだろうかと想像してしまう自分がいる。僕はこの希望の国で見る光景の一つ一つに目を輝かせながらタイシカンという場所へ送迎された。辿り着いた建物ではタイシという者が迎えてくれることになっているらしい。だがおかしいぞ。建物の大きさにしては人が多すぎる。なぜだが分からないが希望の国の人間が何名が訪問をしているらしい。ぼーっとしている僕の周囲に男女が集まり、あれこれと質問をしてきた。タイシはこの者達をシンポテキブンカジンやコクサイジャーナリストだと説明してくれた。好奇の目を向けられながら観察されていた僕は母との約束どおり皆さんの食べている水牛は私が飼育をしたのだと話したんだ。するとメガネを掛けた中年のコクサイジャーナリストが哀れむような目で語りかけてきた。『君の育てた水牛はペットのエサになっているんだよ』。僕は天地がひっくり返るようなショックを受ける。必死に育てて屠殺場へ送っていた水牛が犬畜生の食い物になっていたなんて!こんな馬鹿な話があるか!僕が汗水垂らして頑張った日々は無意味だったのだ!こんな国に認められなければ犬畜生のエサにならず国内の人民に食べてもらえたのに!憤慨している僕にメガネのコクサイジャーナリストはしたり顔であれこれ質問をしてきた。僕は怒りのあまり我を忘れていたのだろう。身の危険も顧みずコクサイジャーナリストへ怒声を浴びせかけた。『許さない』、『この悔しさがお前にわかるか』、『必ず後悔させる』とね。僕は殺されることも覚悟をした。異国の若者を激怒させるなど将来の禍根になる。僕の国の首都で同じことをすれば監禁されるか洗脳されるか殺されるかするだろう。そんな僕の心配とはよそにコクサイジャーナリストは『タノモシイ』、『コノクニノワカモノハナンジャクダカラ』、『キミノハナシヲワカモノニキカセタイ』などと嬉しそうにのたまった。こいつは何を言っているんだ?後で知ったことなのだが、この男は僕とのやりとりを本に記載して出版をしたらしい。希望の国に恨みを抱いている僕を希望の国の若者の模範として紹介したそうだ。このコクサイジャーナリストという人間は狂っているのだろう。その後はペラペラと『ワカモノハヘイワボケダカラ』とか『コレカラハコクサイカノジダイダ』やら『キミノクニトタイニノウギョウヲマカセテワガクニハリーダーシップヲトル』だの、『シカシイッポマチガエレバダイトウアキョウエイケンノニノマイニナルカラ』などと意味不明なことを口にして、しまいには『スベテノセイジキカンヲミンエイカスレバ』と自分の言説に酔ったかのように僕を無視して喋りだした。一体、どこまで人を馬鹿にすれば気が済むのか。この国の人間に同じ屈辱を味合わせたい。しかし、国力に差がありすぎる。力がなければ誠意も勤労も誇りも犬の糞にされてしまうのが現実なのだ。ころしてやりたい。ころしてやりたいが力がない。希望の国は世界一の大都市を築き上げたのに僕の国は未だ内戦が収まらない。立ち向かうすべは無いだろう。その時、部屋の隅にあるテレビから僕の国の都市が映し出された。どうやら速報らしい。僕はタイシに何が起きたのか翻訳してくれと頼もうとした。だが、その必要はなさそうだ。テレビに映された光景を見て僕は全てを理解したからだ。僕はコクサイジャーナリストに若者の模範として褒めてくれたことを感謝すると今後も長く友好的な関係を続けたい旨を告げた。コクサイジャーナリストが最後に言った言葉を今でも覚えている。『カンコクジンヤチュウゴクジンヲゴウカンシテコロシタアヤマルコトモデキナイコノクニハオトナニナレナイアジアノクニグニカラシンライヲエルコトモナイ』。僕は留学先として用意された大学へ向かうと深く心に誓った。お前たちの子孫から言葉を奪う、お前たちの子孫から歴史を奪う、お前たちの子孫から人間としての尊厳を奪う。

人狼プレイヤー『リヴァイアサン』は発言回数値の高さに比べて協調性が低い。占い師の結果を重視しないまま意味も無く疑い発言を繰り返すのだ。推理の邪魔をしてゲームは台無しになるが、そんなものに興味は無いので構わないのだろう。勝手に嫌われて処刑候補となり村に迷惑をかけるが、そんな奴らに興味は無いので構わないのだろう。

3人目のプレイヤー。「あのさぁ、こんなプレイヤーの○○○○、僕舐めないよ!やり直し!」

医者


中学三年生のあの日。私は母に手を引かれて脳病院へと向かっていた。正確に書けば自分がどこへ向かっているのか、何をしているのか理解できず、ただ手をひっぱられて歩いていただけ。母を母だと認識できず、何者かにひきずられるまま霞がかった意識の中で足(足とは何なのか分からなかった)を動かしていた。母が私に問いかける。

『なXXXXの点XX、XXXに悪いXX』。

私は夢と現実の狭間に意識を漂わせていた。『誰かに語りかけられる』という概念が理解できない。誰が何を言っているのか分からない。かろうじて残っている学校での記憶と、母の表情(この表情の時は鬼気迫っていると予測できた)から『母』が『私の答案を見て教師達がざわめいた理由』を『問いかけている』のだろうと考えた。私は説明をするために声を発する(声を出すのは難しかった)。教師の話していることが理解できない、会話を聞いても頭に入ってこない、記憶に残らない、自分が何を書いているのか分からないと伝えた。

『XXXXXXXXXXX』

母は脅えた表情をすると私の頭を平手で叩きつけた。まもなく会社を早退した父の運転する車が私たちの前にとまり、私は車の中に押しこまれて脳病院へと向かっていった。

脳病院での受付をすませて私は両親と一緒に椅子に座らされる。そこから記憶が曖昧になり吹き飛ぶのだが、気づいたら私は脳病院の2Fにおり窓の外を眺めていた。窓から駐車場を見下ろすと背の高い男が倒れているのが見える。水色の制服を着た女性(看護助手だったのだろう)が珍しいことではないので放っていると説明をしてくれた。

そしてまた記憶が吹き飛ぶ。気がつくと私は両親と一緒に椅子に座り、診察が始まるのを待っていた。周囲には車椅子に乗った老人達が病院内を散歩(?)している。全員が精神異常者ではなかったのだろう。病院のある一角は老人ホームとして使用されていたのだ。ある老人患者(?)は若い女性看護師に介助をされて(脇のしたに手を入れられて体を密着する。移乗)、ご機嫌な表情で体を上下させている。またある老人は虚空を見つめながら『○○』にふけっていた。老人がぶらさげている名札に目をやると『和一』と書いてあった。

記憶が飛ぶ。私は父や母と並び医者と対面をしていた。両親が必死に医者へ何かを訴えかけている。医者は冷静な顔でうなずいていた。おそらく両親は私を脳病院にぶちこむつもりだったのだろう。恨むつもりはない。あの頃の私は脳病院に監禁をされて当然の状態だったと思うからだ。

医者は苦い顔をした。何やら説明を始めたが、おそらくは両親の願いを承服できないと話していたに違いない。両親達は医者を説得しようと必死に訴えかけている。困り果てた医者が私に何かを話しかけてきた。この時に理解できたのは私は両親(?)に疎まれている、脳病院にいる(キチガイ呼ばわりされていたので脳病院の存在はかすかに知っていた)、私は駐車場に倒れていた男のようになる、最後はあの車椅子に乗った老人達のようになる、医者(?)はそれを望んでいない、ということだ。

全員が私を見つめている。私は何かを決断しなければいけないようだ。私は夢うつつの中、未来を選択しなければいけなかった。そして自分の意思を伝えた。

『XXXXXXXXX』

私は両親と一緒に帰り支度をしていた。母の憔悴している表情を見るに、どうやら私は脳病院にぶちこまれずにすんだようである。その後に起きる家庭崩壊を思えばぶちこまれるべきであったと思うが、娑婆で生活をしなければいけなくなったのだ。障害者手帳というものがあれば少しは家族の負担は減ったであろう。しかし、そんな物を頂いたことはない。私は現在でも健常者とされている。

にわかに時は流れる。妹は私の頭が狂っているせいで虐められるようになった。教師からも馬鹿にされると嘆いていた。母親はノイローゼに陥ってマルチ商法に手を出すようになった。私のせいで家族がボロボロになっているのに脳病院へぶちこまれなかったのはなぜなのか長年疑問に思っていたけど、私は後日、真実を知ることになるのである。中学を卒業する頃、母がマルチで作った借金は数百万円に膨らんでいたのだろうか、父の判断により私は家から追い出された。

こうして気の狂った私はデフレ不況の日本で日々の糧を稼がなければいけなくなった。初期の初期は父の知己で仕事を紹介してもらった。病名はわからないが(医者に健常者とされたから)、思考と行動がさだまらない当時の私がフラフラと求人に応募をしても、採用などされなかったであろう。数々の職を遍歴したけど、最初の1年は就業初日から例外無くぶんなぐられ、罵倒され、クビになった。

キチガイを野放しにした危険な一家だと罵られるかもしれない、社会に迷惑をかけてきたキチガイだと批難を受けるかもしれない。しかし、私はちゃんと社会に対価を払ってきたつもりである。何度殴られても、理由もなく挨拶がわりに殴られても、私は反抗をしなかった。袋だたきに遭ってもけつをほられても私は抵抗をせずに従った。不況にあえぐ国民から鬱憤ばらしに殴られるのが私の社会における役割なのだ。私という存在はサンドバッグであり、ある時は○○○○○をされるのだ。集団から暴行をうけ続けて、片方の睾丸が潰された。

いよいよ父の知り合いでは私の職をまかなうことができなくなった。万策尽きたと思われたが、私の内面に変化が現れてきたのだ。具体的に説明をすると人間性が芽生えてきたのである。キチガイの言い分だから信じてはもらえないだろうが、人間は社会と交わることにより、例えそれが皆さんから見ればまともな付き合いではなくても、人間性を獲得していくものらしい。逆のパターンを考えてほしい。まったく人と交わらずに部屋にこもっていると、社会との距離は離れていく一方だろう。人間を人間たらしめているのは人との交流なのだ。入職して即座にクビとなっていた私も就業期間が長くなってきた。

キチガイが殴られ続けていたら、異常性が悪化してサイコパスのようになると怖がられるかもしれない。私から言わせてもらえばそんなことはなくて(何事にも例外はあるだろうが)、一発頬をひっぱたかれれば、顔の痛みが心の痛み、悲しいという感情に変換され、人格を否定されたり嘲笑をされれば、守らなければいけない尊厳があるのだと学習し、袋だたきにされたら、それは理不尽さから身を守らなければいけない力の存在を私に意識させた。サイコパスというのは、あれは生まれつきのものだ。

人間性の獲得は私に生きる辛さを自覚させた。この中途半端な時期が一番キツかった。なにしろ見た目は長身でスマートな美男子の高校生だから・・・・失礼、体格に恵まれた若者だったから、求人に応募をすると好印象で採用される。女性たちは顔の良い男の子が来たよと騒ぎ出す・・・失礼、女性が多い職場の場合、使いがいのある男手が来たよと喜ばれる。その後は書くと心が苦しくなるような悲劇が待っているのでつらかった。私を優しく迎えてくれた女チーフが、笑顔で皆に紹介をしてくれた女チーフが、最終的にはストレスに凝り固まった怒りの顔を向けて『あんた!頭がおかしいんじゃないの!』と頭をひっぱたいてくる、ハイティーンにしてこんな有様だったので今でも申し訳ないと思っている。おとなしくぶん殴られたので許してください。反省しています。生きていてすみません。

こうして殴られ、罵られながら1日、1日、人間性を獲得していた私だが、おそらく日本がまともな国だったら手詰まりを迎えていたはずだ。おかしな人間がいると職場から警察に通報をされるか、近所で噂をされるかして、就業は不可能になっていたに違いない。そして脳病院に舞い戻ることになっていたのだ。しかし、皆さんもご存じのとおり、我が国日本は数十年間、終わりの見えないデフレ不況下にある(わざと不況にしているとしか思えないのだが)。街には失業者があふれ。ひきこもりと呼ばれる者も増えていった。ブラック企業が席巻をして就業まもなく辞表を提出する光景も珍しくなくなってきた。我が国の経営者を擁護するために書くが、いわゆる日本型経営を続けていた心ある会社や店舗も存在したのだ。残念ながら、軒並み潰れていった。

皮肉にも私はデフレ不況の世の中に救われてしまった。ある時は親が失業をした若者、ある時は、ひきこもりからの復帰を目指している若者、またあるときは、理不尽な会社から解雇された失業者を演じることで職を転々とするキチガイだと看破されず脳病院へ通報される心配がなくなったからだ。それでも紙一重で路頭に迷いそうな時もあった。ある団塊の世代のせいで私は危機を迎えた。世代間闘争を煽ると健全な議論ができなくなるので詳しくは書かないが、まあ団塊の世代は冷酷で残虐で卑怯で陰湿だった。私を自殺に追い込もうとした老人の名前は『望月』である。そして私は相も変わらずぶん殴られながら日々を過ごした。

現在では、そこそこ安定した生活をしている。ネットやらスマホやらをする余裕ができた。私は初めて仕事以外のことを考える環境を獲得した。さて、何をしようか。皆のようにアニメとか見たりゲームをしながら毎日を過ごそうか。私が選んだのはブログ立ち上げることだった。文章なんて書いたことがないから恥ずかしかったけど理由はあるのです。私の脳裏にはある医者の姿が焼き付いている。これを書いている現在でもあの医者を想像すると狂おしいほどの感情が胸をうずまく。私がブログを始めたのは医者のためだ。死ぬまでにあの医者のことを書かなければいけない。私は医者を書くために生まれてきたのだ。わざわざ睡眠時間を削り、ホモ課長の前で欠伸をこらえながら仕事をして自宅でブログの更新作業を続けるのは医者のためなのです。

瞬介「上記は『よく分かる!ライトノベルの書き方「異世界編」(民明書房)』を参考にした悪い例文です。以下に正しい例文を書きます」

人狼プレイヤー『医者』は全ての能力が最大値となっている。能力値が高ければ優秀というわけではないから、活躍しない場合は途中で変えるかもしれません。一人称は私がマドックのファンなのでセリフを使わせてもらいました。紹介文に書いた医者とマドックは関係ありません。

瞬介「次回は18人村で猫又を担当してプレイをします。よろしくお願いします」

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