悠真「弓を放て!!孫子曰く『檄水之疾、至於漂石者、勢也!』

悠真軍の放った矢が僕の兵に襲いかかる。孫子の兵法書(スペルワード)によって強化された矢は、眼前に布陣する鶴翼の陣を総崩れにするはずであった。

陽介「甘い!敵の攻撃を防いで突撃しろ!呉子曰く『将薄吏軽、士卒不固、三軍数驚、師徒無助!』

僕の指揮する鶴翼の部隊が料敵のスペルワードで強化され悠真の支城へなだれ込んだ。


悠真「調子にのるなよ陽介!後方の城と森へ兵を配置しろ!孫子曰く『夫地形者、兵之助也。料敵制勝、計険阨遠近、上将之道也!』

地形強化のスペルを唱えた敵軍は淡い光に包まれている。おそらく悠真は険峻な地形に布陣をしたのちに我が軍の兵糧を奪取する戦略をとるに違いない 。

陽介「敵を後方へ逃がすな!呉子曰く『陣数乱動、可撃!凡若此者、精鋭衝之、分兵継之、急撃勿疑!』

僕の国の軍師「孫観」達を悠真配下の率いる軍勢へ向ける。スペルワードで強化された武将達は瞬く間に敵軍を包囲した。

陽介「この機を逃さない!全軍、包囲殲滅戦へと展開せよ!兵糧は十分にあるんだ!士気を下げるなよ!」

襄陽に駐屯する敵将達は百戦錬磨の強者である。しかし「無双」の特技を持つ猛将でもないかぎり君主が指揮する鶴翼の陣形に包囲されてしまえば壊滅はまぬがれない。良いペースだ、このまま押し切ってしまえるかもしれない。


陽介「敵軍は総崩れだ!孫観!僕と合流だ!このまま悠真を討ち取ってしまえ!」

悠真「・・・」

陽介「この戦は僕が勝ちそうだな悠真。襄陽を捨てて属領へ逃げるという手もあるよ。そちらには楊醜がいないんだ。兵を無駄に減らさないうちに退いた方が賢明だろうね」

悠真「『故其疾如風・・・』

陽介「な、なんだよ。まだ諦めていなかったなんて。わかった、わかったよ。ここで雌雄を決するとしよう・・・」

勝勢は明らかだ、この戦は僕が勝つ。そして多くの兵と将を失った悠真は、この特殊ルール「二国志」にて敗北するのである。そんなの火を見るよりも明らかじゃないか。だがおかしい、悠真の目は勝負を諦めていない様子なのだ。

悠真「『故其疾如風、其徐如林、侵掠如火、不動如山・・・』」 ・ ・ ・

なぜ僕たちはこんなことをしているのか。いったい僕たちは何をしているのか。話は数時間前にさかのぼる。

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