189年12月 陽介のターン
陽介「張遼(チョウリョウ)が登用できるみたいだぞ!」
悠真「・・・・」
皇甫嵩あたりを登用できれば御の字だと思っていたのに、名将中の名将を配下にできるなんて。僕は思わず興奮してしまう。三国志に登場する英傑のうちで張遼が好きだという人は多いのではないだろうか。
悠真「三国志5をプレイするにあたり、張遼、夏侯淵、趙雲、このあたりの武将を手中におさめれば周辺勢力を併呑するのは容易になる。呂布と違って知力のパラメーターも高く設定されているし文武両道の良将だな」
そう、張遼は天下統一を目指すにあたり欠かせない武将の内の1人だ。ただし・・・。
悠真「史実モードであればの話だけどな」
僕たちがプレイしているのは史実モードではない。武将の能力がランダムに設定される「仮想モードだ。史実モードでの張遼の特殊能力は『同討』、『火矢』、『速攻』、『沈着』、『遠矢』、『応射』であり智勇兼備の名に恥じない技能を備えているのだが、仮想モードではランダムに特技が振り分けられるので残念ながら別人のような武将になってしまうだろう。
悠真「しかしながら仮想モードといえども平地、山地、水地、どの地形でも活躍できる陣形を有している。そして同討と速攻を持っているんだ。登用しても活躍できるんじゃないのか?」
そう。今のままの能力でも十二分に強い。だけど、困ったことに一点だけ気になることがある。
陽介「張遼は最大兵力が少ない。勇名が足らないので1万1千の兵士しか率いることができないんだ」
僕は7月までに悠真を追い詰めて滅ぼさねばならない。兵糧が欠乏している今を逃してしまうと武将数で劣る僕には太刀打ちできる機会は訪れないだろう。張遼は強い。しかし成長途中だからな。
陽介「ゆえに僕の次の一手はこれだ・・・」
悠真「けっきょく張遼を登用しているじゃないか(笑)!」
だって、あの張遼だぜ!?陣形は優秀なのだから足らない特殊能力は言霊で補えば良いし、僕には水軍を率いる将がいないので1万の艦船を采配する張遼は心強いだろう。何より、張遼を登用できるのは董卓配下の今しかいないと思う。このあと曹操とかに引き抜かれて登用不能になったりしたら泣くに泣けない。
陽介「それに『弓のスペシャリスト』、『平地戦のスペシャリスト』、『水戦のスペシャリスト』と狙いたい武将はいたけど全員登用は不可能だったという理由もある。・・・おや?」
陽介「僕が『天変』の特殊能力を覚えたようだぞ。だけど『天変』は禁止されている能力だよな?ということは?」
僕は『水陣』と史実モードで修得するはずだった特殊能力を得ることができるというわけだ。しかし、史実モードにおいて陽介なんていう武将はいないぞ!
悠真「史実モードにいない武将が禁止能力を取得した場合、『水陣』と任意の能力を身につけられることとする。好きな能力を付与しなよ」
ゲームマスターの了解を得たので強い能力を身につけてしまおう。
陽介「うーん。とりあえず『天変』を消して『水陣』を会得してみたのだけど、あと一つの能力はどうしようかなあ」
水地での戦闘用に張遼を登用したのに自分が水陣を身につけてしまった。しかし僕は君主だから先頭に立って水戦をするわけにはいかない。これからも技能を覚えていくだろうからベストの選択なんて思いつかないけど、選ぶとしたらこの能力かなあ?
僕は『無双』の能力を身につけた。
陽介「『水陣』とともに『水神』を身につけたり、防衛のために『落石』を身につけようとか迷ったけど『無双』にしておいたよ。包囲効果を無効にする君主の存在はやっかいだろう。董卓が『無双』を会得しているのを知った時に倒すのは難しそうだという印象が強かったしね」
悠真「なるほど・・・まあ悪くはないんじゃないか?お前に張遼と君主へ配備する兵力があればの話だがな」
ぐぬぬ、そうなのだ。僕の総兵力は2万5千なのだから張遼を出撃させれば僕は本拠地で待機となる。現状では『治療』持ちの僕を出撃させたいので張遼は持ち腐れになってしまうかもしれない。
陽介「仕方ない。進行する都市の地形をみながら臨機応変に兵を配備しよう。平地戦では張遼のほうが強いのだからね!」
さて、次の一手だが・・・募兵で兵力を増強して永安へ進攻するしかあるまい。
ただこのまま進攻するとしても懸念がある。新規加入した張遼や合戦の要である孫観の忠誠度が低いのだ。
僕の兵力は2万5千だから募兵をすれば3千ほど増えるだろう。僕も3万に迫る兵力を采配することができるようになるのだ。そう考えてしまうと武将の忠誠なんて放って置いて増兵へ走りたくなってしまうけど。
陽介「僕の次の一手はこれだ・・・」
僕は張遼の忠誠を100にした。
悠真と短期決戦を狙うのならば兵を集めた方が良い。それは分かっているのだけど実は募兵のコマンドは金が2000かかる(1000とかでも良いけどあんまり集まらない)。僕の持っている金は6000と少しなので、あと3回しか実行できないのだ。兵を集めるために限界まで金を使っても総兵力は3万と少しだけにしかならない。それならば兵を鍛える訓練役や水軍を率いる将として確実に張遼を手元に置いておきたいと考えたのである。
陽介「そして最後の言霊はこいつに使う!呉子曰く!軍を勝利に導くためには四軽、二重、一信を明らかにするべし!『先明四軽二重一信』!」
僕は孫観の忠誠度を97にした(天命×言霊数=6を足した)。本音を言うと治兵篇の一を忠誠度上昇に使うのはもったいなかった。だけど次に悠真の天命が14になり忠誠度を下げられてしまうと孫観が蓄電してしまう恐れがある。91のまま放置しておくのは怖かったので、つい我慢できずに言霊を使用してしまったのだ。
陽介「では永安に進攻だ!」
永安へ進行するメンバーは孫観、曹節だ。僕は張遼を登用するために行動したので参加はできない。永安は山岳に囲まれた都市なので悠真が武陵からカウンターのように攻め込んできても孫観ならば簡単にやられはしないだろう。呉敦を漢中に残したのは、情けない理由になるが董卓の漢中進攻を見越してのことである。
董卓が漢中へ進攻した際は呉敦を上庸へ移動させる(逃げる)。なぜ董卓の進攻を利用して呉敦を動かすのかというと、呉敦を上庸へ移動させるにはコマンド数が足りないからだ(泣)。
陽介「孫観、曹節、2人で永安へ向かうんだ!徐々に悠真を追い詰めていくぞ!・・・んん?」
孫観2万と曹節1人での攻勢を孫観に諫められてしまう。確かに無茶な合戦だ。しかし毎月進軍していかないと悠真を荊州南部に追いやるのは無理だろうしなあ。いや、待てよ?悠真が4万の兵を永安へ向けて僕が退却を余儀なくされた場合、持っていく4000もの兵糧は悠真の物になってしまうのか。ならばだ。
兵糧は15日分の2010持って行くことにしよう。悠真の本隊が永安へ着くまでに5日、孫観が4万の軍勢と戦うのが10日との計算だ。反撃の軍勢が押し寄せたとしても10日間耐えて退却をすれば、悠真軍4万は10日分の兵糧を食い尽くすことになる。そうと分かれば武陵から4万の兵を動かしはしないだろう。では、これで攻めるぞ!
悠真「ほう。お前にしてはなかなかの采配だが・・・俺の天運の前には無意味な行為だな」
こいつ!190年1月を迎えてからの妙な自信は何なんだ。それでどうするんだ?迎撃するの?永安を捨てるの?
悠真「永安からは撤退だ。これは退却にあらず、戦略的撤退である」
悠真は武陵へと退却していった。
悠真の撤退により、僕は『漢中』、『上庸』、『永安』の3都市を手中に収めることになった。内政など一回もしていない。しかし悠真を荊州南部へと追い詰める戦略は成功しつつある。あと少しで勝てる!僕は優位に立っているんだ!自分を信じろ!
悠真「もう言霊もないしコマンド数は0だろう?ターンを終了させたらどうだ?楽しいゲームが進展しないじゃないか」
言われなくても終了させるさ。もう悠真に残された手は孫堅と同盟するくらいしかないはずだ。さあ190年1月を終わらせるぞ。
190年2月
途中で毛玠(モウカイ)という武将が配下になったけど時間がないので詳細はあとで。
190年2月 悠真のターン
陽介「とくに合戦もなくターンがまわってきたようだね」
悠真「!!」
悠真は僕の言葉に耳も貸さずゲーム画面を食い入るように見つめている。
悠真「2月は俺のターンからか!孫堅は?やつはこの2月の行動を済ましているのか!?」
武陵に居を構える悠真にとって隣接する孫堅の動向は気になりはするだろう。しかし周辺都市に空白地があり総兵力5万の孫堅を恐れる必要はないんじゃないかなぁ?
陽介「画面を見た限り孫堅は2月のターンを実行していないようだけど、それがどうかしたの?」
まだ孫堅に2月のターンがまわってきていないことを知った悠真は目を見開き高らかに叫んだ。
悠真「これにて我が計略。『天下三分の計』は成った!!!」
陽介「えっ?天下??・・・はぁ?」